LIAR GAMEの感想

 LIAR GAME

 去年から今年にかけて、友達に薦められ、「LIAR GAME」のドラマを観たような気がします。確か。感想を書いて送りつけるみたいな話もしてた気がします。確か。もう今更送りつけてもただ迷惑なだけなのでここに供養します。ちなみに原作は読んでないです。

 

成長物語

 唐突ですけど、物語というのはおおよそすべて主人公の変化を描いているのです。それがよく働けば成長だし、悪く働けば悪化ってことなのでしょうけど、どちらにせよ初期状態からなんらかの変化が見られないと、ストーリーとして成立しないわけです。これは中学時代の国語教師の受け売りですが、事実としてそうなのでしょう。

 この「LIAR GAME」、主人公は戸田恵梨香演じる神崎直と松田翔太演じる秋山深一のどちらか、あるいは両方だと思いますが、彼らがどのような変化をしていくのか楽しみにしていた気がします。

 

 

ざっと感想

 この話はLIAR GAMEっていうゲームに参加するハメになってしまった正直者の直ちゃんが天才詐欺師である秋山深一を頼りなんとか勝ち進んでいくといったものです。様々なゲームが用意されており、人間の心理やルールの穴を探り勝ちを目指す登場人物の様子が見ていて面白かったです。ゲームに勝つと賞金が貰えるのですが、欲にまみれた汚い人間がよく描かれていたと思います。ストーリー自体も展開の起伏があって面白いですし。

 ただ、なんかところどころ厨二的というか漫画的というか(漫画原作なのだから当然ですが)、明らかな作り物感が全面に押し出されているところがあり、残念でした。深夜アニメとかだったら全く問題なく受け入れていたと思いますが、ヨコヤのあの感じは白髪も含め、実写でやるには違和感の塊って感じでした。しかも原作は黒髪らしい……あと全体的に台詞回しとか演出が臭かった気がします。劇場版のいい人が悪くなるところとかが顕著。事務局とかね。芦田愛菜とか。

 

神、中田ヤスタカ

 劇伴を中田ヤスタカが担当しており、作品に華を添えています。引き立てまくってる。OPがもうこれ以上ないくらいに完璧な曲で頭に残るメロディ。これぞ「LIAR GAME」だっていう代名詞的な曲になっていると思います。また、capsuleの曲が挿入歌として使われてるのが最高でした。曲にも注目して見てほしいです。

 

 

二人の変化

 私は、おそらく正直者の直ちゃんが汚い大人たちに触れることで何も信用できずに嘘をつく能力が高くなる(=ゲームに強くなっていく)ような変化が現れると思っていました。ところが、直ちゃんは最後まで正直者の直ちゃんでい続けました。本当に最後の最後まで周りの人間を信用し、裏切られ不利な目に遭い続けましたが、最後には信じ続けたことが報われます。一見、何も変化が見られませんが彼女は確実に強くなっているんですね。信じ続けるということも難しいです。彼女は「バカ正直の直」という蔑称を持ち、今まで何も考えずに人を信用し騙され続きの人生を送ってきましたが、LIAR GAMEを通して、どんな状況でも人を信用し続ける力を得たのだと思います。また、時にはうまくゲームを切り抜ける場面も見られ、「強くなったなぁ……」と我が子を見守るように見ていました。

 秋山深一については割愛。デレた。

 

 

 

まとめ

 フィクション的なノリが強く実写に向いてないような気もするがストーリー的には面白い。ゲーム内容は深く突っ込むとボロが出るらしいので頭をからっぽにして見るのが正解だった。劇伴はとにかく神がかっており、直ちゃんの成長を見守るのが楽しい。